【図解】100円のコーラを1000円で売る方法!丁寧に要約してみた!

マーケティング講師のQちゃんです!プロが使う難しい理論よりも、誰もが使える基礎を超分かりやすく!って趣旨で、マーケティングの教養や基礎的な考え方を図解化して、専門用語を使わず、分かりやすさ重視で発信してます!
Qちゃん
今回は、数多くのマーケティング入門書を書かれている永井孝尚さんの代表作「100円のコーラを1000円で売る方法」という本を図解を使って丁寧に要約してみました。物語で楽しみながら分かりやすくマーケティングが学べるオススメの一冊なので是非チェックしてください!
もくじ
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おおまかにこんな話
この本では、ストーリーでマーケティングの基礎的な考え方が学べます。その中では、各章それぞれ上図のようにテーマが決まっていて、その内容を物語の中で解説していくような形式になります。物語の大まかなあらすじは以下の通りです。
今回はこの中で特に重要な5つのポイントについて図解を交えて解説していきます。
事業の定義
まず最初のポイントは、 顧客視点で事業を定義することについて書かれています。
ある化粧品会社Aは、自分たちの事業のことを「化粧品の製造販売事業」として定義していました。別のB社は「ライフスタイルと自己表現。そして夢を売ること」というふうに事業を定義していました。これはお客さんが買っている価値は何かという観点です。
お客さんは化粧品を買っています。化粧品を買っているのだけど、化粧品自体が欲しい訳じゃなくて、本当にほしいのはその化粧品を使うことで得られる価値です。その価値で定義しているのがB社ということですね。
製品で自分たちの事業を定義しない
例えば、技術革新によって今後化粧品よりも効果のある美容法が生まれるかもしれません。そうした時に、A社のように「化粧品の製造販売事業」と製品志向で定義してしまうと柔軟に取り入れることはできなくなります。B社のように、市場志向で定義すると柔軟に取り入れることができます。つまり時代の流れとともに行き詰まってしまう可能性があるわけですね。
これと同じことが行ったのがアメリカの鉄道会社です。同じように「我が社は鉄道事業だから、車や飛行機に乗客がとられてもそれは違う業界の話だ」というように意識しなかったわけです。自分たちの事業を製品・サービスを中心に考えてしまうとこういうことが起こってしまうという教訓です。
このあたりのお話については、何屋さんか再定義することが戦略的マーケティングの核心という記事が分かりやすいと思うので、気になる方はこちらもチェックしてください!
顧客絶対主義の落とし穴
2つは 顧客絶対主義の落とし穴です。この本では、お客様の言いなりになる顧客絶対主義と、お客様にとって本当の課題を考え、価値ある提案を行うべきという顧客中心主義という考え方が出てきます。
ここでの一番重要な視点は、「お客様は自分の課題を正確に把握できていない」ということです。目に見える体感的な課題というのは、枝葉の問題であることが多く、その問題に対してアレコレと改善策を講じても、対処療法でしかありません。本当に提案すべきことは、もっと根底にある本質的な課題です。
お客様の言いなりになるということは、枝葉の問題に対する対処療法を続けていくようなものであって、本当の解決には至りません。だからこそ、プロの視点で本当の課題に気づきを与え、その解決策を提示することで、お客さん自身が体感的に困っている課題をも解決できるということを示さなければなりません。
バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
続いて3つ目です。ここでは バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略について解説しています。バリュープロポジションというのは、上図の通り『お客様が求めていて、競合は提供できないけど、自分たちは提供できるユニークな価値』のことを指します。
物語の中では、町の電器屋さんの事例で紹介していました。町の電器屋さんと家電量販店。一見すると品揃えでも価格でも有利な家電量販店しか勝てないように思いますが、実は町の電器屋さんにも強みがあります。それは家電量販店にはできない細かな地域密着型のサービスです。
例えば、高いところにある電球を変えられない。設置の方法が分からない。使い方が分からないというような電器のトラブルに対応するのが苦手なシニア層は量販店で買うよりも町の電器屋さんで買ってアフターサービスを受けた方が安心です。お客様のニーズがあり、量販店にはできないけど、自分たちが提供できる価値。それがバリュープロポジションです。
市場を大きく作ったキシリトールガム
物語の中では、キシリトールガムの事例でバリュープロポジションとブルーオーシャン戦略の考え方が提示されていました。これまで「味」「香り」という価値で勝負してきたガムのメーカーがあるとき「虫歯予防」という新しい価値を打ち出しました。これがバリュープロポジションですね。
そして、それを広げるために取り込んだのが歯科医だったのです。本来、虫歯になる人がいなくなると儲からない歯科医に対して、「虫歯治療の為の歯医者」ではなく「虫歯予防の為の歯医者」という市場を提案しました。虫歯になる人は1割ですが、「予防」という考え方にすれば他の9割の人も見込み顧客になるというわけですね。
このように、競合がひしめきあって消耗戦を繰り広げている血に染まった赤い海をレッドオーシャン。誰も手をつけていなくて、明確な見込み顧客がいる海をブルーオーシャンといいます。(海=市場のことね)
バリューセリング
4つ目です。ここでは値引きして売るのではなく、価値を高くして売るバリューセリングの考え方について解説しています。この章で使わている事例こそ「100円のコーラを1000円で売る方法!」になります(笑)
前述の通り、お客様というのは商品そのものではなく、商品を使うことによって得られる価値を買っています。商品そのものを売ろうとした場合、差別化できなくなり、消耗戦になります。(バリュープロポジションがない状態)
そうやって消耗戦を続けていくことによって価格が下がり続け、例えばコーラはディスカウントストアでは100円どころか50~60円で売ってたりします。では、その50~60円のコーラはどうやったら1000円で売ることが出来るのでしょうか?
最高においしく飲めるという体験
本の中で紹介されていたのはこうです。リッツカールトンのルームサービス(ラウンジ?)で、冷たく冷やされたコップにライムが挿してあって、スバラシイ空間で最高においしく飲める体験の価値を売るというものでした。
つまり、同じ50~60円で売っている黒い液体でも、製品そのものではなく体験的な価値という売り方したことによって、1000円でも安く感じる!ということが起こり得るということです。製品そのものを売る考え方をプロダクトセリング、価値を売る考え方をバリューセリングと言います。(プロダクトは製品、バリューは価値、セリングは売るという意味です…念のためw)
イノベーター理論とキャズム理論
最後は、新しい商品を売る場合に必ず現れる普及の壁。 イノベーター理論とキャズム理論についての解説です。
どういうことかと言うと、市場を100として見た際に、5段階に分けて普及していくというものです。
- イノベーター:2.5%
- アーリーアダプター:13.5%
- アーリーマジョリティ:34%
- レイトマジョリティ:34%
- ラガード:16%
それぞれ商品を買う際の価値観や考え方が異なるので、段階的にやり方を変えていかなければなりません。その辺りの詳しいお話については、別の記事、イノベーター理論を小学生でも分かるように図解で解説してみた!が分かりやすいので、気になる方はこちらをチェックしてみてください。
この記事のまとめ
今回は、100円のコーラを1000円で売る方法で紹介されたマーケティング理論の主要な5つを解説してきました。今回は5つに絞ってご紹介しましたが、他にも5つの理論が同じくストーリーの中で紹介されています。もし気になったら、是非そちらも読んでもみてください。
動画の中では、もう少し詳しい解説とともに、ストーリーもより鮮明に分かるように解説を加えていますので、良かったら動画の方も参考にしてみてください。
Qちゃん