日本とアメリカの『マーケティング協会の定義』を比較してみた!

マーケティング講師のQちゃんです!プロが使う難しい理論よりも、誰もが使える基礎を超分かりやすく!って趣旨で、マーケティングの教養や基礎的な考え方を図解化して、専門用語を使わず、分かりやすさ重視で発信してます!
Qちゃん
人によって定義や解釈の異なるマーケティングの定義。偉い人や権威ある機関はマーケティングをどのように定義しているのか?
このシリーズではそれぞれ比較しながら、マーケティングの本質に迫っていきます。第4弾は日本マーケティング協会と米国マーケティング協会の2つ。それぞれの、その国らしさがあふれ出たマーケティング定義について解説していきます。
日本のマーケティング協会も、アメリカのマーケティング協会も、厳格なカチっとした定義がなされています。それぞれ、その国の情勢・文化といった背景を感じさせてくれる定義でした。その国らしさが溢れる定義ながらも、本質的には同じことを定義している点など面白かったです。
以下のような方におすすめです。
- 日本とアメリカのマーケティングの違いが知りたい
- マーケティングの定義をちゃんと知りたい
他の定義もまとめて読みたい人はコチラをどうぞ
日本マーケティング協会の定義
ということで、見て行きますが、堅いですね(笑) 言及しているのは以下の5つ。
- 企業および他の組織
- グローバルな視野
- 顧客との相互理解
- 公正な競争を通じて
- 市場創造のための総合的な活動
それぞれ要素分解して考えていきましょう。フィリップ・コトラーのマーケティング定義とかなり被る部分があります。
■ 企業および他の組織
マーケティングの対象は企業だけじゃなく、他の組織も対象ですよ。ということ。マーケティングは企業だけじゃなく、学校も病院もNPOも地域も色んな組織・コミュニティが活用できるということ。
■ グローバルな視野
日本国内だけの活動じゃなく、グローバルな視野に立ちましょうね。ってこと。これをあえて入れてくる辺りが、なんか日本っぽい。
■ 顧客との相互理解
お客さんを知り、自社を知ってもらう相互理解が必要ですよ。ということ。お客様のことを知って、お客様が求めている価値を知るということはもちろん、自分たちの理念や活動を知ってもらうことも大事ということです。
■ 公正な競争を通じて
取引のルールを逸脱せずに、公正な競争を行いましょうね。ってこと。これもあえて入れるのか・・・という感覚。
■ 市場創造のための総合的な活動
市場を創っていくための総合的な活動ですよ!ということ。コレは個人的に一番重要な指摘だと思ってます。プロモーションだったり、市場調査だったりWEB活動だったり断片的に捉えがちなマーケティングですが、個別最適の考え方ではなく全体最適を行うのがマーケティングですよ!ということ。
その辺は、こちらの記事を読めば分かりやすいと思うのでオススメです。
アメリカマーケティング協会の定義
こちらも少し表現が堅めですが、日本よりはなんぼかマシな気がしてます。こちらも分解してみると、このような感じ。言及していることは4つですね。それぞれサクっとみていきましょう。
- 組織と利害関係者にとって有益になるよう
- 顧客に対して価値を創り、伝達し、提供し
- 顧客との関係性を管理
- 組織的な活動とその一連の過程
組織と利害関係者にとって有益になるよう
マーケティングとは組織と利害関係者が有益になることが必要ですよ!ということ。これは組織内だけではなく、仕入れ先みたいな協業者だったり、大きな企業なら株主だったり、そういった人たちの利益になるように!という考え方ですね。利害関係という文言が入っているのがアメリカっぽいです。
顧客に対して価値を創り、伝達し、提供し
顧客に対して価値を創り、伝達し、提供しましょうねってそのままです。日本との違いとしては「伝達」という文言が書かれていること。広い国土で、飛び交う情報量も日本より多い(のか知らんけど)アメリカでは、伝達・伝えると言うことに対してかなりの力が割かれている感じがする。マーケティング理論の中でも「価値を伝える」プロモーション系の理論が多いですからね。
顧客との関係性を管理
顧客との信頼関係を管理するために行うものですよ!ということ。一度取引をして終わりではなく、継続したお客様との関係性を重視していることが見てとれます。実際にリレーション系のマーケティングやITシステムの多くもアメリカ発のものが多いですね。
組織的な活動とその一連の過程
組織的な活動であり、その一連のプロセスを指してますよ。これはマーケティングをよく理解してない人はほとんど言ってなくて、理解しているほとんの人が言ってることで、マーケティングは個別の活動・断片的な何かではなく全部!ということです。