お客様の視点で繁盛する為に、たった1つ注視するポイントとは?

マーケティング講師のQちゃんです!プロが使う難しい理論よりも、誰もが使える基礎を超分かりやすく!って趣旨で、マーケティングの教養や基礎的な考え方を図解化して、専門用語を使わず、分かりやすさ重視で発信してます!
Qちゃん
今日は、お客様の視点に立った商売、お客様の立場に立った経営ということについてのお話です。
この『お客様の視点に立つ』ということ、色んなマーケティング本に書いてあることで、見聞きしたことある人も多いと思います。商売を繁盛させていくために、お客様の視点・立場に立つことが大事そうなことは言うまでもありません。
けれども、
お客様の視点に立つために、具体的に何をどうすりゃいいのか?っていう考え方については、
『お客様のことを考えようぜ!!』
『考える時の主語は、お客様だ!!』
『いや、頭で考えるな!感じるんだ!!』
・・・みたいな、わりと抽象的で漠然とした解説で流されてることが多いような気もしてます。3つ目は冗談として、こんなんじゃ考えようもないですよね。
そんな訳で、本日はマーケティング理論や分析を使ってどうのこうの・・・てハナシを抜きに、お客様の視点に立った商売・経営を行っていくために、具体的に何をどう考えれば良いか?を一緒に見ていきたいと思います。
もくじ
あなたは何屋さんですか?
のっけから「脈絡わかりにくいわ!」って怒られるかもしれませんが、1コだけ質問させてください。
良かったら、10秒考えてみてください。
あなたは「何屋さん」ですか?
この質問に対して・・・
- 喫茶店を営む方は「コーヒー屋」
- 保険を売る代理店を営む方は「保険屋」
- 弁護士業を営む方なら「法律屋」
- 自動車整備を営む方なら「車の整備屋」
・・・みたいな感じで答えるかもしれません。
お客様にとっては違うかも・・・?
でも、本当にそうでしょうか?
それこそが、僕たち売り手視点の定義であって、買い手(お客様)の視点では全然違った定義がなされているかもしれません。
今回はこの「何屋さん」かという切り口から、お客様視点に立った商売・経営の具体的な方法を示していきたいと思います。
とってもシンプルなので、是非あなたの商売に置き換えながらご覧ください。
すべての商売は「手段屋」さん
例えば、あなたが「喫茶店」を営むとしたら?・・・って例で、考えてみましょう。
あなたは喫茶店でコーヒーを売っている「コーヒー屋」です。来店するお客様は、コーヒーを注文して思い思いの時間を過ごすことでしょう。
でも、コーヒーだったら自宅でも飲めるし、他の喫茶店やコンビニでも飲めますよね?にも関わらず、わざわざ、お客様があなたのお店にいらっしゃる理由はなんでしょう?
例えば、
- 落ち着いて読書したいから
- 友人とおしゃべりしたいから
- 集中してブログを書きたいから
・・・みたいに、お客様が意識しているかどうかは別として、何らかの目的(○○したい)を達成したくて来店しているはずです。
喫茶店であなたが売っている目に見える商品・サービスはコーヒーですが、お客様はその目的(〇〇したい)を達成するための「手段」としてコーヒーを買っています。
で、見方を変えれば、僕たち売り手はその「手段」を売っているとも言えますよね。この視点が大事。
お客様の「使い方」で定義する
この、何の「手段」として使っているかが分かれば、お客様の視点で「何屋さん」なのか定義できます。では、ここからは具体的に、喫茶店の使い方2パターン比べながら見ていきましょう。
■外回りの営業マンの場合
例えば、外回りの営業マンが取引先との打ち合わせに使うために来店している場合。
その営業マンは、 「外出先の打合せスペースとして使いたい」という目的があり、それを達成する手段として使っています。だから、喫茶店は喫茶店でも・・・
として、この喫茶店を使っていることになります。
■子連れのお母さんの場合
小さな子連れのお母さんがママ友とのランチ会に使おうと来店する場合。
その子連れのお母さんは、 「子連れでランチ会をする」という目的があって、それを達成する手段として使っています。だから、喫茶店は喫茶店でも・・・
として、この喫茶店を使っていることになります。
価値は使い方に表れる
このように、目的達成の「手段」として、お客様がどんな「使い方」をしているかを考える(場合によっては、観察する)ことがポイントです。僕が好きな言葉に、価値は使い方に表れる!というのがあるんだけど、まさにそれ!
だから、「外回り中の打ち合わせスペース」として使えるということに価値を感じる営業マンにとっては、そのまま「外回り中の打ち合わせスペース屋」さんなんです。
むっちゃ露骨な表現ですが、そのくらいの方が分かりやすくて良いです。別にお客さんの前に出す言葉ではないので、分かりやすい方が良いですからね。
★ここからが超重要ポイント
さて、ここからがメッチャ大事です。別に「何屋さん」かコトバ遊びがしたい訳ではなく、重要な何かが変わるからこの定義が大事なんです。
先ずは競合が変わります。「外回りの打合せスペース屋さん」としてお客様が見ているのであれば、競合先も容易に想像できます。
この場合、
- 貸し会議室
- コワーキングスペース
- カラオケボックスの個室
・・・みたいな感じで、同じ「使い方」が出来る場所が競合です。売り手の視点ではスタバやドトールが競合と思うかもしれません。でも、この営業マンにとって、業種業態が同じかは関係も関心もありませんよね。
本当に関心があるのは、「打合せスペース」として使いやすいかどうかです。
競合が変われば、強みも変わる!
そして、更に重要なことに、競合がかわれば、強みが変わるということです。
「強み」とはその競合ではなく、あなたの喫茶店を選ぶ理由になる決め手が「強み」です。
大事なので、もう一度言います。
競合ではなく、あなたの商品・サービスを選ぶ理由になる決め手が「強み」です。
そして、強みを考えるときは、その「使い方」を応援してあげると良いです。その競合先よりも高い価値を提供する・・・つまり、より「打ち合わせスペース」として使いやすくするとお客様が選ぶ理由になりますよね。なぜなら、「打ち合わせスペース」として使いたいからです。
例えば、
- Wi-FiやPC・スマホの電源コンセント
- 自由に使えるホワイトボードの設置
- プロジェクターの貸し出し
- 静かな空間づくり
などなど、具体的に思い浮かびます。
ランチ会屋さんの場合は?
さて、こういったものは比較すると、より分かりやすくなります。もう1パターンの「子連れで大人数で入れるランチ屋さん」も一気に見ていきましょう。
■競合はどこ?
同じ「使い方」ができるところが競合でしたよね。
なので、同じように子連れで大人数で入れて、ランチが食べられる場所が競合先となります。
例えば、
- ファミリーレストラン
- 複合施設のフードコート
- カラオケボックスのパーティールーム
・・・といったところでしょうか?
同じお店だとしても、営業マンが思い浮かべる「貸し会議」「コワーキングスペース」などは、微塵も頭に浮かばないでしょう。
だって、
「子連れでランチ会したい!」ということを考えているのだから。
■強みは??
続きまして、「強み」が変わります。
強みは、競合ではなくあなたの商品・サービスを選ぶ理由になる要素でしたね。
そして、強みを考えるときは、その使い方を応援して、競合先よりも使いやすくしてあげると良い・・・でしたね。
例えば
- お子様用メニュー
- カフェインレスの飲み物、
- オムツ交換や授乳スペース
- 賑やかでもOKな雰囲気づくり
などなど、
先ほどとは別の方向に向かって「やるべきこと」が具体化しているのが分かると思います。
具体的に考える方法は?
さて、ここまでお客様の視点で繁盛する為に、たった1つ注視すべきことは、 お客様が自分たちを「何屋さん」として見ているか…ということと説明してきました。ここまで読んでくれた方は、もうバッチリ理解できてるもんだと思ってすすめます。
ここで終わってしまったら「へー、そーなんだー」で終わっちゃうので、具体的にどうやって注視するのか?どうやって「何屋さん」として見ているか考えるのかをご案内しときます。念のために言っとくけど、別に僕の高額セミナー(やってないけど)に参加とか、高額コンサル(やってないけど)を受けろ!とかそんなお話じゃないです。
それは、戦略5原則理論といって専門知識がなくても誰でもこういうターゲット・お客様の価値(使い方)・競合・強みといったものが考えられるツールです。使い方の解説とかは戦略5原則は知識0でも顧客視点で売れる強みが作れるお手軽戦略ツールという記事をご参照ください。きっと役に立てるはずです!

この記事のまとめ
そんなわけで、以上のように、お客様の使い方に注視して、お客様があなたを「何屋さん」として利用しているのか分かれば、お客様の視点で商売を定義しやすくなります。
そして、重要なのが競合が変わり、強みをつくるために具体的にやるべきことも変わるということです。というか全部変わります。
「外出中の打合せスペース屋」さんと「子連れで大人数で入れるランチ屋さん」では、きっとメニューや店舗の作り方、ホームページ等も全部変わってきますよね?
ここでは、書きませんが
- どんな人材を採用・育成・評価する?
- どんな社内・社外ルールをつくる?
- どんな財務管理・資金調達をする?
・・・みたいに、人事、財務、法務といった様々な経営の様々な面でも、大きな変化が起こります。
だから、お客様の視点で経営をすることが大事なんです。
是非、あなたもお客様の使い方に注視して、商売を定義してみてください。
あなたは何屋さんですか?